Googleマップで店を探すとき、口コミの件数と星の数を見てから来店を決める人は多い。BrightLocalの2025年調査では、消費者の76%がローカルビジネスの口コミを「常に」または「ほぼ毎回」読むと回答している。
口コミが多い店舗はGoogleマップでも上位に表示されやすくなる。SEO対策やMEO対策の一環として口コミを増やしたい店舗オーナーも増えているが、「お客さんに口コミをお願いするのは気が引ける」「頼んでも書いてもらえない」という声はよく聞く。
この記事では、ガイドラインに違反せず、自然に口コミを増やす具体的な方法を10個紹介する。QRコードの作り方から声かけの台本、LINEやメールの文面テンプレートまで、読んだその日から使える内容にした。
なぜ口コミが増えないのか? 3つの原因
口コミが増えない店舗には共通点がある。
1つ目は、そもそもお客さんが口コミの書き方を知らないこと。Googleマップを開いて、店舗を検索して、口コミ欄を探して、星をつけて、テキストを入力する——この手順は意外と面倒だ。満足していても、わざわざやろうとは思わない。
2つ目は、書くタイミングを逃していること。来店直後は「良かった」と感じていても、帰宅して日常に戻ると書く気がなくなる。満足度が高い瞬間に動線を用意しないと、口コミにはつながらない。
3つ目は、店舗側が「お願い」をしていないこと。お客さんの大半は「頼まれれば書く」が、頼まれなければ書かない。ReviewTrackersの調査では、口コミを依頼された顧客の約70%が実際に投稿している。頼むか頼まないかで、結果は大きく変わる。
この3つの原因を踏まえて、次に具体的な施策を見ていく。
Google口コミを増やす10の方法
方法1. QRコード付きPOPを店内に設置
口コミを増やす最も手軽な方法が、Googleマップの口コミ投稿ページに直接飛ぶQRコードを店内に置くこと。お客さんがスマホでスキャンするだけで口コミ画面が開くので、「探す手間」を省ける。
QRコードの作成手順は以下の通り。
- Googleビジネスプロフィールの管理画面にログイン
- 左メニューの「ホーム」から「口コミを増やす」カードを探す
- 「口コミのリンクを共有」ボタンで短縮URLをコピー
- QRコード生成サイト(QR Code Generatorなど無料ツールで十分)にURLを貼り付け
- 生成されたQRコードをダウンロードしてPOPに印刷
POPの設置場所はレジ横が定番だが、テーブルのメニュー立てやトイレの鏡横も効果がある。待ち時間に目に入る場所が理想だ。
POP文面の例。
ご来店ありがとうございます。 よろしければ、Google口コミで感想をお聞かせください。 (QRコード) スマホのカメラで読み取ると投稿画面が開きます
方法2. 会計時のひと言声かけ
POPだけだと見落とす人もいる。会計時にスタッフが一言添えるだけで、口コミ投稿率は上がる。
声かけのスクリプト例。
「本日はありがとうございました。もしよろしければ、Googleの口コミに一言いただけると嬉しいです。レジ横のQRコードからすぐ開けますので。」
押しつけがましくならないコツは、「もしよろしければ」を添えることと、断られても笑顔で「ありがとうございました」と終えること。強制感が出ると逆効果になる。
声かけのタイミングは、お釣りを渡す前後がベスト。会話が途切れるタイミングなので自然に切り出せる。
方法3. LINE公式アカウントで口コミ依頼
来店後のフォローとしてLINE公式アカウントから口コミを依頼する方法。友だち登録してもらっている顧客が多い店舗に向いている。
メッセージの文面テンプレート。
〇〇様、先日はご来店ありがとうございました! もしよろしければ、Googleマップで感想を投稿いただけると今後の励みになります。 ▼こちらから30秒で投稿できます (口コミ投稿URL)
次回ご来店もお待ちしております。
送信のタイミングは来店から24時間以内。体験の記憶が新鮮なうちに届けるのがコツだ。翌週になると開封しても「もういいか」と流されやすい。
方法4. メール・SMSでフォローアップ
予約制のサロンやクリニックなど、メールアドレスや電話番号を把握している業種で使える方法。
メールの件名と本文テンプレート。
件名:先日のご利用ありがとうございました
〇〇様 △△(店舗名)です。 先日はご利用いただきありがとうございました。
当日のサービスはいかがでしたか? もしよろしければ、Googleマップで率直なご感想をお聞かせください。 いただいた口コミは、サービス改善の参考にさせていただきます。
▼口コミを投稿する(30秒で完了します) (口コミ投稿URL)
今後ともよろしくお願いいたします。 △△スタッフ一同
SMSの場合は短く。
△△です。先日のご利用ありがとうございました。よろしければGoogleで感想をお聞かせください → (URL)
方法5. 名刺やショップカードにQR印刷
名刺やショップカードの裏面にQRコードを印刷する方法。来店の都度渡すものなので、追加コストがほぼかからない。
裏面のレイアウト例。
「口コミいただけると励みになります」 (QRコード) Google口コミはこちら
名刺の場合はオーナーやスタッフ個人の名前が入っているため、「〇〇が担当しました」という文脈になり、口コミを書くモチベーションにつながりやすい。美容師、不動産の営業担当、パーソナルトレーナーなど、個人の接客力が売りの業種で効果的だ。
方法6. SNSで口コミ投稿をシェア・感謝
もらった口コミをInstagramのストーリーズやX(旧Twitter)で紹介する方法。投稿者への感謝を示しつつ、「この店は口コミを大事にしている」という印象をフォロワーに与えられる。
シェアするときの注意点は、投稿者の名前を伏せること。Googleマップの口コミはユーザー名が表示されるため、スクリーンショットを撮るときはモザイク処理するか、テキストだけ引用する。
投稿文の例。
嬉しい口コミをいただきました。「〇〇が美味しかった」とのこと、ありがとうございます!スタッフ全員の励みになります。
口コミを見た他のフォロワーが「自分も書こう」と思うきっかけになる。口コミの連鎖が生まれやすい施策だ。
方法7. スタッフ教育で習慣化
口コミ依頼を仕組みにしても、スタッフが声かけをしなければ機能しない。大事なのは「口コミをお願いする」ことを日々のオペレーションに組み込むこと。
具体的にやること。
- 朝礼で「今日も口コミの声かけをお願いします」と伝える
- 声かけのスクリプトをレジ横に貼っておく
- 月間の口コミ件数をスタッフ全員に共有する
「月に○件」といった目標を設けてもいいが、ノルマにすると不自然な接客になりかねない。口コミ依頼は「感謝を伝えるついでに」くらいの温度感がちょうどいい。
方法8. 口コミ投稿のハードルを下げる工夫
「口コミを書いてください」と言われても、何を書けばいいか迷う人は多い。書く内容のヒントを伝えるだけで投稿率は上がる。
POP文面や声かけに使えるフレーズ。
「料理の感想でも、お店の雰囲気のことでも、一言で大丈夫です」 「星だけでも助かります」
「長文じゃなくていい」「星だけでもOK」と伝えるのが効果的。実際、星のみの評価でもGoogleの口コミ件数にはカウントされるため、店舗の評価改善に十分貢献する。
方法9. 既存のリピーターに優先的に依頼
口コミを依頼するなら、初来店の顧客よりもリピーターを優先するのが合理的だ。
理由は2つ。まず、リピーターはすでに店舗への好意がある。満足しているから再来店しているので、ポジティブな口コミを書いてくれる確率が高い。次に、複数回来店しているため書ける内容が具体的になる。「いつも〇〇を頼みますが、外れたことがない」という口コミは、初来店の「美味しかったです」より説得力がある。
リピーターに依頼するときの一言。
「いつもありがとうございます。常連のお客様に口コミでお店の魅力を伝えていただけると嬉しいです。」
方法10. Googleビジネスプロフィールの情報を充実させる
直接的に口コミを増やす方法ではないが、間接的な効果が大きい施策。Googleビジネスプロフィールの口コミ管理が行き届いている店舗は、検索経由の来店が増え、結果として口コミの母数も増える。
充実させるべき項目。
- 営業時間(祝日・臨時休業の更新も含む)
- 写真(外観・内観・メニュー・スタッフ。月に1〜2枚追加が目安)
- 商品やメニューの登録
- 「最新情報」の投稿(週1回が理想)
写真が充実している店舗はGoogleマップのリスティングでクリック率が42%高いというGoogleの公式データがある。来店数が増えれば、口コミの件数も自然に増えていく。
Googleガイドライン違反になるNG行為
口コミを増やしたいあまりにやってしまいがちな行為を挙げる。いずれもGoogleのポリシー違反であり、発覚するとビジネスプロフィールの停止や口コミ全削除のリスクがある。
| NG行為 | リスク |
|---|---|
| 口コミ投稿と引き換えに割引・クーポンを提供 | ポリシー違反。口コミ全削除の可能性あり |
| 自作自演(自分やスタッフが書く) | IP・端末情報から検出される |
| 口コミ代行業者に依頼 | 大量削除+ビジネスプロフィール停止の事例多数 |
| 「星5でお願いします」と評価を指定 | ガイドライン違反 |
| ネガティブな口コミだけ削除申請を繰り返す | Googleの判断で正当な口コミは削除されない |
Googleが禁止しているのは「対価と引き換えの口コミ」と「虚偽の口コミ」だ。逆に言えば、対価を伴わない口コミ依頼自体は問題ない。「よかったら口コミを書いてください」は正当な行為。「口コミを書いてくれたら10%オフ」はアウト。ここの線引きは明確に理解しておきたい。
MEOと口コミ戦略の詳細も参考にしてほしい。
口コミが増えた後にやるべきこと
口コミが増え始めたら、次に重要になるのが返信だ。返信のある店舗はない店舗と比べてユーザーの信頼を得やすい。Googleも公式に「口コミへの返信は顧客との信頼関係構築に有効」と述べている。
返信のポイントは3つある。
1つ目は速さ。遅くとも48時間以内、可能なら24時間以内に返信する。投稿者だけでなく、検索でたまたま口コミを読んでいるユーザーにも「この店は対応が早い」という印象を与えられる。
2つ目は内容への言及。「ありがとうございます」だけの定型返信を全口コミにコピペするのは逆効果になる。口コミの内容——「〇〇が美味しかった」「スタッフの対応が良かった」——に1文でも触れると、一気に温度感が変わる。返信のテンプレートと具体例も用意しているので参考にしてほしい。
3つ目は低評価への対応。星1〜2の口コミにも丁寧に返信することで、他のユーザーからの信頼を得られる。感情的に反論するのではなく、事実の確認と改善の姿勢を示す。
とはいえ、口コミが増えてくると毎回の返信が負担になるのも事実だ。月に数十件の口コミが来る店舗では、1件あたりの返信に5分かかるだけで相当な時間が積み重なる。
最近はAIを使って返信を効率化する方法も出てきている。Chrome拡張のクチコミAIは、Googleマップの口コミ横に「AI返信を生成」ボタンが表示され、口コミの内容と星の数に応じた返信文を自動で作成する。業種やトーンの設定もできるので、高級レストランとカジュアルなカフェで文体を変えることも可能だ。月5件までは無料で使える。
口コミを増やす仕組みを作り、届いた口コミに返信する。この両輪を回すことで、Googleマップでの評価が着実に積み上がっていく。まずは今日できることから——レジ横にQRコード付きPOPを1枚置くところから始めてみてほしい。